自己と他者、両者への尊重が素晴らしい!【嫌われる勇気】

自己と他者、両者への尊重が素晴らしい!【嫌われる勇気】

2021年1月9日

目次

  1. この本から得た学びと気付き
  2. 現在を形成しているのは、過去ではなく現在。
    「目的論」で生きる。
  3. 人間という生き物はいまに甘えたがる。現状を維持しようとする。
  4. 未来に保険をかけ、言い訳を作り出す自分。
    それではなく、いまに懸ける。
  5. 実現したい未来のために、いまやらなければいけないことをやる。
  6. 他者ではなく、自己を見つめる。
  7. そして、他者と関わり合いながら生きていく。
  8. 最後に

1.この本から得た学びと気付き

この本から得た学び・気づきは、大きく分類すると下記の6点である。

◆原因論ではなく、目的論で生きる。

◆人間には本来、現状に甘えたがるという原理・原則が備わっている。

◆未来の自分に保険を掛けて、言い訳を作り出して、今を大切にできていない自分がいるということ。

◆やりたいことのために、やらなければいけないことをやる。

◆他者がどうかではない。あるのは、自分の意志だけ。

◆他者との関わり方で大切なのは、分離である。

それぞれの項目に対して、本文の抜粋を交えながらまとめていく。

2.現在を形成しているのは、過去ではなく現在。「目的論」で生きる。

私はこれまで、「過去の経験があるからこそ、現在の自分が存在していて、
思考や考え方が形成されているのだ」と思っていた。

人は様々な経験から気付きを得て、学びを得る。

それらをもとに、人の思考は形成されていくのだから、その通りだと思っていた。

しかし、アドラーの唱える「 目的論」では、全く真逆の思考プロセスだった。


われわれは過去の経験に「どのような意味を与えるか」によって、自らの生を決定している。人生とは誰かに与えられるものではなく、自ら選択するものであり、自分がどう生きるかを選ぶのは自分なのです。

岸見 一郎,古賀 史健. 嫌われる勇気 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.301-303). Kindle 版. 

つまり、【目的論】と相反する【原因論】について、以下の通りに要約できる。

【目的論】過去の経験に対して、現状の自分がどのような意味を与えるかによって、自らの生・思考が決定されている。

【原因論】:現在の状況(自らの生・思考)は全て、過去の事象に基づいて決定されている。


私の思考法は完全に「原因論」だった。

私たちはどのような思考で生きていても、何をしても、過去には戻れない。

だから、原因論で過去からの流れの中で生きていくのではなく、

目的論をもって、今を生きていく中で未来を作っていくしかないのだ。

「あの経験があったから・あの経験のせいで、こういう思考をするようになった。」ではなく、

「あの経験を踏まえて、現在の私はこうやって思考するようになったのかもしれない。しかし、私たちは今を生きることしかできないのだから、今をどうするかをひたすら考えていけばいい。」という思考プロセスなのだ。


ここで特に大事だと感じたのは、過去を否定してはいけない ということ。

思考を作っているのは今の自分かもしれないが、

過去を完全に無かったものとして捉えるのではなく、「過去は過去としてしっかりと受け止め、あくまでも向き合うのは現在だけ」ということだ。


今を必死に生きる。そうすると、今も必ず過去になる。

そうなったときに、「あの頃の自分は、紛れもない今を真剣に生き抜いていたんだな」と認めてあげることだ。

自分自身のことをまずは自分自身で認めてあげないと、誰が自分を一番認めてくれるのだろう。

自分で自分を認め、現在を生きていく。


3.人間という生き物はいまに甘えたがる。現状を維持しようとする。

2節で述べたように、「紛れもない、いまこの瞬間に向き合っていこう」・「いまこの瞬間は今しかないんだから、どんどん挑戦して、後悔のない人生にしよう」と思っても、

なかなかうまくかない・一歩が踏み出せない・自分に甘えてしまう という経験をしたことある人は多いのではないだろうか。

私も例に漏れず、何度も(何ならいまでも、)自分に甘えてしまう時がある。

「いまは楽をしても、いつか頑張ればいいや」って。

そして、いつか必ず後悔する

どうしてあのとき、もっと踏ん張れなかったんだろうって。

今を大切にして生きよう、もっと挑戦しよう、と思っていても

行動できないのはなぜなんだろう。


そこに対する答え・ヒントとなる記載が本書の中にあった。

新しいライフスタイルを選んでしまったら、新しい自分になにが起きるかもわからないし、目の前の出来事にどう対処すれば・いいかもわかりません。未来が見通しづらくなるし、不安だらけの生を送ることになる。もっと苦しく、もっと不幸な生が待っているのかもしれない。つまり人は、いろいろと不満はあったとしても、「このままのわたし」でいることのほうが楽であり、安心なのです。

岸見 一郎,古賀 史健. 嫌われる勇気 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.614-618). Kindle 版. 

わたしの若い友人に、小説家になることを夢見ながら、なかなか作品を書き上げられない人がいます。彼によると、仕事が忙しくて小説を書く時間もままならない、だから書き上げられないし、賞の応募に至らないのだそうです。しかし、はたしてそうでしょうか。実際のところは、応募しないことによって「やればできる」という可能性を残しておきたいのです。人の評価にさらされたくないし、ましてや駄作を書き上げて落選する、という現実に直面したくない。時間さえあればできる、環境さえ整えば書ける、自分にはその才能があるのだ、という可能性のなかに生きていたいのです。おそらく彼は、あと5年10年もすれば「もう若くないから」とか「家庭もできたから」と別の言い訳を使いはじめるでしょう。

岸見 一郎,古賀 史健. 嫌われる勇気 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.649-656). Kindle 版. 


人が現状に甘えてしまって行動できない理由。

それは、「それが、人間の原理・原則=(ホメオスタシス(恒常性))だから」
であると私は考える。


自分の意思の強さとか、そんなことは関係なく、

人間という生き物の原理・原則的に「今の心地よい状態を維持しよう」という

本能が働いているのだ。

(※ここに関しては、前回のブログでも記載している。ぜひ読んでみてほしい。甘えた自分への強烈な劇薬!【自分の中に毒を持て】


現状を維持してしまうというのは、人間という生き物に最初から備わっている原理原則なのだ。

これはもう、どうしようもない。

どうしても嫌なら、その時には人間をやめるしかない。(笑)

生き物は、誰であっても「現状を維持したい」という性質を持っているのだ。
素直に向き合おう。


4.未来に保険をかけ、言い訳を作り出す自分。それではなく、いまに懸ける。

そして、現状を維持しようとするのが人間という生物の原理原則と知った上で
自らを見つめ直してみた。

すると、今できない理由を自分で勝手に作り出して、行動を先延ばしにして、

未来の自分に期待して、未来に可能性を預けて、心地良い今を維持している。

こればかりだ。

自らの劣等コンプレックスを言葉や態度で表明する人、「AだからBできない」といっている人は、Aさえなければ、わたしは有能であり価値があるのだ、と言外に暗示しているのです。

岸見 一郎,古賀 史健. 嫌われる勇気 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1006-1008). Kindle 版. 


時間さえあれば、ブログ書ける。時間あるときに書こう。 

やる気さえ沸いてこれば、ブログ書ける。やる気が出たときに、ブログ書こう。

能力があれば、起業できる。でもいまは能力がないから、自分にできることだけやっていればいいや。

英語力さえあれば、TED出れる。でもいまは能力がないから、いつかでいいや。

全部同じだった。未来に可能性を託して、今から逃げているだけだった。


ずっと可能性の中に生きていた私だったが、この本を読んで、気付かされた。

〇〇があれば、、って言うくらいなら、〇〇を自ら作りだし、能力・現実を自らのものにすればいい・実現したい未来を実現させるために、今やらなければいけないことを「いま」やればいい。それだけじゃん。

と、強く心を打たれた。

やってみないと、行動して体現してみないと、結局何も現状は変わらない。
何も変わるはずがない。

やってみないと何もわからない。成功も失敗もない。何も始まらないのだ。


そして、もう一つ大切なことは、現状の自分を受け入れて、理想の自分との比較を客観的に行うこと

60点の自分に「今回はたまたま運が悪かっただけで、ほんとうの自分は100点なんだ」と言い聞かせるのが自己肯定です。それに対し、60点の自分をそのまま60点として受け入れた上で「100点に近づくにはどうしたらいいか」を考えるのが自己受容になります。

岸見 一郎,古賀 史健. 嫌われる勇気 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.2880-2882). Kindle 版. 

「言い訳・できない理由を探し出して、自らに言い聞かせて、行動しない」
ではなく、
「理想の自分と現状の自分を比較した時に、何が足りないのかを客観的に分析し、何を自らに付け足していけばいいのかを考えて、ひたすら行動する」
ということだ。

実現したい未来を実現させるためには、

今と向き合って全力で生きていくためには、

行動しかないのだ。


人生全体にうすらぼんやりとした光を当てているからこそ、過去や未来が見えてしまう。いや、見えるような気がしてしまう。しかし、もしも「いま、ここ」に強烈なスポットライトをあてていたら、過去も未来も見えなくなるでしょう。

岸見 一郎,古賀 史健. 嫌われる勇気 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.3263). Kindle 版.

人生は連続する刹那の連続であり、過去も未来も存在しません。あなたは過去や未来を見ることで、自らに免罪符を与えようとしている。過去にどんなことがあったかなど、あなたの「いま、ここ」にはなんの関係もないし、未来がどうであるかなど、「いま、ここ」で考える問題ではない。「いま、ここ」を真剣に生きていたら、そんな言葉など出てこない。

岸見 一郎,古賀 史健. 嫌われる勇気 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.3474). Kindle 版.

上記の記載のように、「そんな言葉、出てくるはずがない」し、

「ただ見えている”気がしている”だけ」なのだ。


人生は一度しかない。そして、私たちはいまこの瞬間しか生きられない。

本当にやりたいことがあるのだったら、実現させたい未来があるのだったら、

いまやるしかない。


5.実現したい未来のために、いまやらなければいけないことをやる。

未来に可能性を残すのではなく、今を全力で生きる。

しかし、いま何をやればいいのだろうか。

今を楽しむために、楽しいと思うことだけをやっていればいいのだろうか。

つらいこと全てから目を背けていいのだろうか。

違う。


傾向性のおもむくまま、すなわち欲望や衝動のおもむくまま生きること、坂道を転がる石のように生きることが「自由」なのかというと、それは違います。そんな生き方は欲望や衝動の奴隷でしかない。ほんとうの自由とは、転がる自分を下から押し上げていくような態度なのです。

岸見 一郎,古賀 史健. 嫌われる勇気 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.2034-2036). Kindle 版. 

ただやりたいことをやるだけではダメなのだ。

やりたいことのために、実現させたい未来を実現させるために、

やらなければならないことをやる。これが押し上げるということ。

ここで注意しておきたいことは「ただやりたくないことをやる」ではない
ということだ。

「やりたいことのために」がその先にあるからこそ、
「やりたくないこともやっていくしかない」という思考
なのだ。


やりたい事だけしてても、幸せにはなれない。

【やりたいことのために、やらなければならないこと・向き合わなければならないこと】

これと真剣に向き合い、行動することで初めて、生まれるものがある。


起業してみたい。自らの手で稼ぎ、価値を提供できる人間になりたい。

だからそのために、稼ぐ手段=アフィリエイトを勉強しよう。

TEDに出てみたい。だからそのために、オンライン英会話を申し込もう。

毎日英会話しよう。

そのために、日々の生活の中で自ら時間を作り出す。

だらだらと過ごしている時間なんてない。


まずは、行動してみることで、自らの手で現実を作ろうとしてみることで、

自らの生活を通して、何となくわかり始めてきた。

これが人生を作っていくということなのだと。


※少し余談にはなるが、これに関しては、レペゼン地球  DJ社長の最後の動画でも話があった。

あれは、かなり感動した。心を打たれた。

(残念ながら、いまはもう動画が削除されてしまっているが。)


6.他者ではなく、自己を見つめる。

そして、自らの手で実現させたい未来を作っていくために必ず必要となるもの、

「他者比較ではなく、ひたすら自己へのみ集中していく」ということだ。

私たちはこの地球上に存在している以上、必ず「他者」と関わり合いながら生きていく。

様々な誘惑も存在するし、「あの人はすごい。でも、私はなんて情けないんだろう」などの劣等感に押しつぶされてしまうこともあるだろう。

そのような社会の中で、どうやって「自己」へ集中すればいいのだろうか。


本書にて、「健全な劣等感」という言葉を用いた下記のような記載があった。

健全な劣等感とは、他者との比較のなかで生まれるのではなく、「理想の自分」との比較から生まれるものです。

岸見 一郎,古賀 史健. 嫌われる勇気 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1118-1119). Kindle 版. 

この地球上に存在する人間には誰一人として、同じ人なんて存在しない。

各々が全く異なる経験・人生を送ってきて、異なる価値観を持っている。

だから、「他者」と比較しても意味はない。

「私」と「私」の比較があるだけなのだ。

「私」の人生は、紛れもなく「私だけ」にしか歩めないのだ。


7.そして、他者と関わり合いながら生きていく。

第6節のように「私が自分に集中する」ということは、

他者も紛れもない「自己」へ集中するということでもある。

その社会の中で、どのようにして他者と関わっていけばいいのだろうか。

あらゆる対人関係のトラブルは、他者の課題に土足で踏み込むこと——あるいは自分の課題に土足で踏み込まれること——によって引き起こされます。課題の分離ができるだけで、対人関係は激変するでしょう。

岸見 一郎,古賀 史健. 嫌われる勇気 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1747-1749). Kindle 版. 

その人自身がどうなりたいと思っているのか、何をやりたいと思っているのか、これが一番大事であり、これしかない。

「それは誰の課題なのか」「誰が集中すべき課題なのか」という

課題の分離が必要なのだ。

「私」と「他者」との間でともに課題に向き合っていくために必要なのは、
『介入ではなく援助』なのだ。


あなたはいま、「誰かを無条件に信頼したところで、裏切られるだけだ」と思っている。しかし、裏切るのか裏切らないのかを決めるのは、あなたではありません。それは他者の課題です。あなたはただ「わたしがどうするか」だけを考えればいい

岸見 一郎,古賀 史健. 嫌われる勇気 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.2952-2954). Kindle 版. 

この地球上で、ともに尊重し合い、互いの「理想」を実現していくためには
相手がどうするかではない。

ただ純粋に自分がどうしたいのか。そこだけに対して、自分自身が向き合っていけばいいのだ。

そして、他者も同じであるということを知り、「尊重」するのだ。


8.最後に

何をしたって一度きりしかない人生。

私は私自身の人生を最高にするために、全力で生きていく。

過去ではなく、未来でもなく、現在に生きる。

他者ではなく、自己を生きる。

自分以外の時間・思考で生きる必要なんてないのだ。

ただひたすらに、自己集中を貫けばいいのだ。


そして、他者も同じように自分自身の人生を全力で生きている。

お互いがお互いの人生を、自分自身で最高なものにしていくために、

私が提供できる価値、それは介入ではなく「援助」なのだ。

踏み入るのではなく、支えて助けるのだ。

それが最高の付き合い方なのだ。


自分のために生き、他者のために生きる。

「自分のために」という視点しか無かった私にとって、

とても貴重な気づきを与えてくれた一冊に出会うことができた。


今回も、最後まで読んでいただきありがとうございました。

たかひと



◆今回の書籍◆

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え 
著:岸見一郎 古賀史健


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Takahito

Takahito

1996年生まれ。25歳。人生にコミットする男。

新卒で入社した自動車部品メーカーを約3年で退職し、

スタートアップ企業「株式会社GOAL-B」へインターン生としてジョイン。

過去の経験を通して、”死”に対する恐れ/焦りおよび”生”に対する使命感を覚え、

「人生は、本当に一度きりしかない。」という事実を思い知る。

そして、全くの筋トレ初心者だったが、1年で男らしい体を体現。

自分自身の経験があるからこそ、本気で、”人生、何事でもやれば叶う。”と確信している。

自分自身の命を全て使い果たすべく、『人生のアウトプット場所』としてブログを開設。

仕事・筋トレ・恋愛など、”人生に対してフルコミットする姿”を通して、『井戸崇人』という1人の男の生き様を発信中。

一度きりの人生、共に最高のものにしましょう。

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